口腔ドックを通してわたしたちと共有したことを、患者さんがもう一度復習できるように「検査報告書」という資料を制作しています。おうちに帰って納得がいくまでご検討いただけるように、当院のスタッフ皆で、のべ10時間ほどかけて丁寧に制作しています。
ご自分の状況を客観的に判断していただき、治療の前にお互いが共有できる羅針盤を作ることがこの資料をお作りする理由です。
口腔ドック報告書の内容
1 患者さんの口腔内にみられる症状の特徴|2当院の基本的な考え方 |3顎関節のMRIと歯科用CTの診断結果 |4各口腔診査の結果 |5研究用模型をもとにした咬合状況|6個々の歯と歯周組織について|7予知性のある治療指針|8指針にもとづいた治療計画|9治療に必要な時間(おおよその日数)|10治療に関わる全ての費用
検査報告書の終盤では、今後の治療計画をご提案しています。当院の顎関節を起点とした歯科治療が、一般的な歯医者さんでおこなわれる治療と大きく違うのは、「治療終了後のお口の安定状態を予測できる」ということです。未来の姿を正確に予知することで、患者さんにとっての「最良の治療計画」を立てることができます。
治療計画には、確固たる治療計画と多くの資料が欠かせません。診療哲学にもとづいておこなわれた口腔ドックからのデータを分析し、今までに蓄えてきた治療経過の集積データと照らし合わせることで、確固たる「治療指針」を作っています。この指針をもとに、患者さんそれぞれに最適な治療計画を組み立てていきます。
顎関節が不安定になり、そのために起こる諸症状を抱えてお困りになっている患者さんや、ご自分の歯を一生涯に渡って快適に使っていきたいと思っている方に、未来へ向けた確実な治療をご提案いたします。
顎関節の診断から始まる当院の歯科治療では、わたしたちが専門家として考えられる唯一最善の治療計画をご提案しています。
一人ひとりに最適な治療となるように、お口全体に渡って基礎から計画するため、歯を一本だけ治療する歯医者さんと比べると全体の費用はたしかに大きく違います。
本来であれば、治療計画にそって一気に終点まで治療がすすめられれば理想的なのですが「予算の都合もあるし、この期間で全ての治療費を支払うのは難しい」という患者さんのお声もありました。 この治療が必要だと思っていても、現実的な問題として費用面で大きな不安に直面する。このことは、患者さんにとっても、わたしたちにとっても大変悩ましい問題でした。
長期相談計画はこのような不安を少しでも和らげようと考えてはじめました。当院の治療計画は、全ての治療が完了するまでをワンセットとして考えますが、長期相談計画ではこの計画をいくつかのパートに分けて考えます。
まずは、専門の医療コーディネータースタッフと相談しながら、切りの良いところや優先的に治療した方が良いところを見つけて「最初に治療するべき範囲」を第1段階の計画にします。
そして、残った部分をどれくらいの期間で治療するか、新たに第2段階、第3段階の計画を起こして、コーディネーターの管理の元で治療を実行していくという方法です。
その時に痛いところだけをその都度ササっと治療する方が一般的で、短期的に見れば費用も時間もとても少なくて済むように思えますが、わたしたちは実際に、このような安易な治療のために大切な歯を失ってしまった患者さんを数多く診察してきました。
その経験から、その場しのぎの治療では、長期的な安心は得られないということを実感しています。 長期相談計画は、すべてが終わるまで時間がかかるのも事実ですが、その分、一回あたりの治療費をできるだけ少なく抑えながら、じっくりと時間をかけて治療の内容を理解することができる計画でもあります。
当院の患者さんからは「安いけれど何度と再治療を繰り返す無駄な時間と出費を考えると、かえって経済的だった」というお声をいただくこともあり、長期的に歯を健康に保ちたい患者さんにとっては、確実でリスクの少ない方法ではないかと考えています。 費用に対する不安や治療計画そのものへの疑問をお持ちの患者さんには、この《長期相談計画》のご利用をおすすめしています。