最終補綴物への置き換えが終わった患者さんは、獲得した口腔環境を永く維持していくために定期検診のステージへと移行していただきます。
当院では、患者さんそれぞれの顎関節の状態に合わせた定期検診をおこなっており、治療前のMRI画像診断でStageⅢb以前と診断された方には「メンテナンス型定期検診」を、StageⅣa以降と診断された方に「咬合管理型定期検診」を、それぞれ受診いただく仕組みになっています。
当院のメンテナンス型定期検診を受診している患者さんや初診の患者さんにMRI診断の重要性について十分にお話させていただき、撮影に賛同を得た患者さん130名のMRI画像を診断してみたところ、99%の患者さんがStageⅣa以降診断結果になっており、最初の予想である「せいぜいStageStageⅢbくらいかな」よりは遥かに進行していたのでいささか、いやかなり、驚いているところです。このデータの疫学的調査結果の詳細は、今後このホームページにも公表していきたいと思っています。
StageⅢb以前の方はメンテナンス型定期検診を受診していただきます。StageⅢbまでの場合は咬合が変化しませんので、お手入れ・むし歯・歯周病のチェックがメインの定期検診となっています。2年に1回はパノラマ写真やCTを撮影し口腔に変化が無いかどうかも管理していきます。
当院のこれまでの長期メンテナンス経験と、パイパー博士の顎関節疾患の定義を土台にして構成したもので、長期的な顎関節の安定を目的とした当院独自の定期検診です。
この定期検診の大きな特徴は、患者さんの咬合の変化を追跡していくところにあります。 お手入れ・むし歯・歯周病のチェックだけでなく、咬合のチェックを毎回おこない、前回の検診と今回の検診で咬合の変化がどれくらいあったのかということをつぶさに観察します。
咬合の変化をとらえられれば、顎関節の変化の兆候をつかむことができるので、結果として、歯をより良いコンディションで保っていくことにつながっていきます。
それでは、当院独自の定期検診である「咬合管理型定期検診」の流れをご紹介します。この定期検診では、歯科医師と衛生士が交互に担当を代わりながらおこなわれます。まずは、歯科衛生士が約50分間の検診をおこないます。その結果を歯科医師に報告し、担当が交代になります。歯科医師は咬合を中心に検診をおこないます。
この検診は、患者さんの顎関節の状態によって内容が変わるため、皆さんが同じ内容の検診を受診なさるわけではありませんが、ご参考までに検診の流れをご紹介します。
習慣位:自然に噛んで、上下の歯が一番多く接触する時の関節頭の位置のことです。
着座位:関節円板が関節窩の中にしっくりはまった時の関節頭の位置のことです。
※習慣位と着座位は一致する場合もあります。
「あい歯会」とは、口腔健康の維持と管理をサポートする会です。メンテナンス型定期検診、咬合管理型定期検診、選りすぐりの口腔衛生用品の提供、健康に関する講演会の開催などのサービスをご提供しています。当院の初期治療を終えられた方であれば、どなたでもご入会いただくことができます。
初期治療を受診中の患者さんは、準会員として健康に関する講演会にご参加いただけます。
講演会は年に3回を予定しており、院外で開催しています。内容は健康に関することで、当院の歯科医師と衛生士が講師をつとめています。また、特別講師の方をお呼びする場合もございます。
過去には、食事会や日帰り旅行などを企画して、皆さんでわきあいあいと語り合いながら学ぶ機会もありました。同じ悩みを抱えた患者さん同士が、楽しく学んで楽しく実践できる場所です。
※ご入会手続きが必要です