それではどのようにして補綴物ができていくのか、その工程をたどっていきましょう。
色々な種類の補綴物が有りますが今回はメタルボンド冠の作り方を順を追ってお話していきます。
(メタルボンドポーセレンとはこのように金属の土台の上にポーセレンと呼ばれる自然な歯の色をした材料をつけた物です)(注)緑色の字で書かれた処は歯科医院で青色の処は技工所での作業です。
1)歯科医の手によるアンダーカットのない歯の形成、歯肉圧排(歯肉を少し下に押すこと)。
2)型をとる材料による歯の型取り(精密印象)。
3)石膏模型の製作(石膏注入)。
4)模型の消毒滅菌。
5)模型のトリミング(製作しやすいように歯を1っ本づつ切り離していくこと)。
6)咬合噐への取り付け:咬合器という顎の関節と同じ働きをする機械に取り付けます。
これによって患者さんのお口の状態を再現することができます
◆次に金属部分の製作
いよいよ本格的に補綴物を作っていく事になります。金属に白いセラミックを焼き付けた自然な歯の色に近い補綴物を作っていくには、まず最初に金属部分を作らなくてはなりません。
7)まず蝋の型を作り始めます。非常に薄いプラスティックの膜で基本となる台を作り蝋を盛り上げ
☆ このロウの形どおりに金属を鋳造するといわゆる金歯となります。
8)ここまで出来ましたら蝋でできた型を分割された模型の方に戻す。そしてこの模型でもぴったりと適合する事を確認。
◆これでロウの型が出来上がり、次に鋳造(ロウを金属に置き換える)するための準備。
9) 鋳型を作る材料を水、種類によっては専用の液体を使い気泡が出来ないように真空状態で練り、バイブレーターによる振動を利用しながら気泡が入らないように慎重に埋没。
10) 鋳型が固まったら電気炉に入れて所定の温度まで加熱。温度は鋳造する金属により変る。(650度から980度ぐらいの差があります)
11) 温度が上がりましたらいよいよ鋳造。金属を溶かして型に流すのが鋳造と呼ばれる操作。
12) 完全に冷えましたら埋没剤から掘り出して、 塩酸などの強い酸に漬けて洗浄。
13) 余分な部分を切り落とし、模型にフィットするか確認。
14) 咬合器の上で噛み合わせの調整。
15) 調整が終了後、順次細かい研磨材に変えながら研磨。
16) メタルボンドポーセレンの場合はポーセレンを焼き込む部分を均一な面になるように表面処理。
17) これを700度ぐらいの電気炉に徐々に入れて真空状態で970度まで温度を上げ焼き上げ。(丁度金属の上に卵のからの様に陶材が焼き付いた状態になります。)
18) この状態の上にボディ、エナメルと呼ばれる、透明感の有る陶材を盛り上げ。
☆一般の陶器や磁器もそうなのですが焼き上がると約20%収縮しますので少し大き目に作り焼き上げます。700度の電気炉に7分ぐらいかけて徐々にいれ真空状態で930度まで温度を上げていきます。
19) 焼きあがり自然冷却後、形の整え。
20) この素焼きの状態で患者さんのお口の中で最終的な咬合、形態、色のマッチング調整。
21) 表面を奇麗に磨き洗浄し、艶を出すために艶焼きをし、これで技工操作終了。(電気炉に入れて940度で焼き上げると表面がツルっとした感じになります。)
◆口腔(お口の中)内での補綴物の試適、噛み合わせ(咬合)チェック調整、セット。
22) 隣接面接触具合テスト、調整。
23) 境界適合テスト調整及すり合わせ。
24) 咬合チェック。
@)中心位チェック、調整。
A)側方運動チェック、調整。
25) 補綴物のセット(歯に補綴物をつけること)。
26) 余剰セメントをはずす。
これで終了!
いかがでしたか?ぴったりと削った歯に合わせる物を作っていくためには、このように多くの工程を経なければなりません。それには絶対的な時間、優秀な技術、そして物を作るこだわりの心が無ければ到底なしえないものなのです。
もしもどこかで手を抜くような事が有ったら・・・・・・歯科医療って難しいですね。
