根管治療
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根管治療を任せるなら
歯内療法専門医!
名医の選び方を知ろう

ー根管治療が長引く理由から専門医の必要性、名医の選び方までー

歯科衛生士・田中 洋子 / たなか ようこ

歯の根の治療に何カ月もかかったり、歯髄(神経)をとったはずなのにいつまでも痛かったり……こんな経験がある方は、意外に多いのではないでしょうか?なぜ根の治療が長引いてしまうのか、その理由と原因を解決する意欲のある「歯内療法専門医」の存在をご紹介しましょう。

そもそも、なぜ根管治療(歯の根の治療)は長引いてしまうの?

歯医者で歯髄(神経)をとったのに、腫れたり痛んだり何カ月も通院したり……数年後、根の先に膿があるから根の治療をしましょう」と再治療、挙句の果てにとうとう抜歯となった。そんな経験をされたことはありませんか?

「むし歯を作ったのは私だから仕方ない」と歯医者の言いなりになっているそこのあなた、ちょっと待って!よく調べましょう。言われるままにしておくと、あなたの歯の寿命にかかわることがあります。歯の寿命を考えるときにはもちろん、顎関節から咬合を診ることも大切なのですが、歯の基本治療の一つである根管治療は、歯を健康に保つうえでとても重要なことだからです。

根管治療に通院回数がかかるのはどうしてでしょうか?これはまず、根管治療自体が大変に難しいものだからです。口の中は舌や頬(ほほ)粘膜が存在し、一方向からしか見ることができないため視野が狭く奥へ行くほど暗いうえに、唾液が常に出てきています。
このような口腔内は“テーブルの上”と比べれば、治療環境がよいとはとてもいえません。また、歯そのものが小さく、その中にある歯髄(神経)はもっと見にくくなっています。

歯髄(しずい)について

少し詳しく、歯髄についてご説明しましょう。まず、歯髄(神経)の入っている歯髄腔は髄室と根管の2つに分けられます。髄室は歯の頭の部分(歯冠部)にあり、根管は歯肉の中にある根っこ(歯根)の部分にあるものです髄室から根管孔という根管に通じる入り口があり、そこから約12㎜の長さに渡るトンネルが続き、やっとその先に歯髄(神経)の歯への出入口である根尖孔があります。

根管内は狭くてカーブが多く、根尖孔まで治療器具を入れて到達させるには、相当高度な技術と時間が必要になる。

根は大なり小なり曲がりくねっているのが普通なのです。車でたとえるなら、「狭くてカーブが多く相当走りにくい道(首都高を走るイメージです)」といったところでしょうか。このため、歯冠部から根尖孔まで治療器具を入れて到達させるには、高度な技術と時間が必要となります。

こうした難しい理由が揃っているのにもかかわらず、保険点数では根管治療は世界標準レベルから見ても大変低く評価されています。1回の根管治療にかける十分な時間をとることや根管治療の技術を磨き最善を尽くすことは「一般歯科では困難である」というのが現状といえるのではないでしょうか。
そのため保険診療では通院を少なくしたり、きちんとした治療を望んだりするのは厳しいことでしょう。歯科医が心を痛める治療の1つであると思います。

なぜスゴイ!?「歯内療法専門医」

根管治療は専門用語で「歯内療法」といいますが、この歯内療法には正式な「歯内療法学会」というものが存在し、学会が認めた「歯内療法専門医」という資格をとられている先生がいます。つまり根管治療のプロフェッショナルであり、こうした専門医の方々に治療をお願いするのも選択肢の1つでしょう。

「歯内療法専門医」の先生は凄い!と思います。なぜなら「歯内療法専門医」を取得するには長い年月と経験を積み、やっと認められる資格だからです。どれくらい大変かというと、歯内療法学会HP専門医の道をご覧いただくとわかりやすいかと思います。(詳細は歯内療法学会HP http://www.jea.gr.jp/ippan/index-6.shtml を参考に)

まず一般開業医は学会に7年以上所属してはじめて専門医の資格審査を受ける権利を得ることができます。
申請の準備段階では
・ 学術大会への参加
・ 学術大会での発表
・ 学会誌への発表
など必要単位を15点以上修得しなければなりません。

そして、準備段階で最も重要な要件が
ラバーダムを使用した5症例の、術前・術中・術後3か月後・6か月後の症例報告を、X線デンタル写真とプロトコールを用意すること

これらの準備がそろって始めて、申請をすることができるようになります。
書類を提出後、対面審査(口頭質問)、筆記診査(一時間の記述試験)を経て、ようやく合否が出されるのです。

このように資格をとる過程には大変な手間暇がかかります。
それにもめげずに日々の診療と両立しながら「歯内療法専門医」を目指す歯科医には、よほどの考えやこだわりがあることでしょう。だからこそ、根管治療は歯内療法専門医にお任せすることが望ましいのです。

しかし残念ながら、歯内療法専門医のほとんどは保険治療をしていません。前述のように根管治療へ最善を尽くすには、集中できる時間とそのための環境、さまざまな専門器具などへの投資が必要となるため、健康保険では到底賄えきれないからです。治療を依頼するには、一般的に1歯10万円の治療費は覚悟しておくべきでしょう。

数いる歯内療法専門医から「名医」を選ぶ方法とは?

根管治療を歯内療法専門医に診てもらうとすれば、保険適用内の治療に比べて費用がかさんでしまいます。だからこそ、歯科医師の選び方には慎重になりたいところです。
しかし、残念ながら技術は外から見ることはできませんよね。では、どんな基準で選べばよいのでしょうか。選び方のポイントとしてはたとえば、医科の世界で「名医」「ゴッドハンド」と呼ばれている医師は、どんな医師かを考えてみるとよいでしょう。何歳ぐらいの先生でしょうか?どんな環境でどんな手術をしているでしょうか?
歯科も同じだと思います。ここでは特に注目したい3つのポイントをご紹介しましょう。

1.設備と環境はそろっているか?

外科医にとって手術室(個室)や最新の設備機器の環境が整っていることは必須条件だと思います。歯科医院に根管治療をきちんとこなせる設備や環境があるかどうかは重要なポイントといえるでしょう。たとえば、歯内療法にとって歯科用実態顕微鏡(マイクロスコープ)歯科用CTは絶対必要!です。ほかにはラバーダム、適切な根管拡大器具、根管洗浄システム、超音波治療器、最適な根管充填材料(当院HP歯内療法を参考に)を使用しているかも見ておきたいところですね。また、根管治療は細菌感染を防ぐことも大切ですので、院内の滅菌消毒がしっかりできているかもポイントとなります。患者としては、静寂を保てる個室環境があるかも大いに気になるところでしょう。

2.「歯」だけではなく、あなたを見てくれる歯科医であるか?

名医と呼ばれる医師は、インフォームドコンセントを大切にしていると思います。
歯科医との信頼関係はとても大切です。根管治療の技術だけではなく、あなたの心や背景に寄り添った上で、治療提案と最善の技術を尽くしてくれる歯科医が望ましいでしょう。あなたが納得して治療に臨めるよう、時間をかけて話をきいてくれる歯科医を選んでください。

3.チームが組めているか?

手術は一人ではできないチーム戦。だからこそ、スタッフと連携が取れているかどうかが、重要な判断基準の一つとなります。これを調べるには、歯科医院のホームページを見てみてみるのが一番でしょう。サイト内でスタッフは紹介されているでしょうか?紹介されていなければ、一匹オオカミとなっている歯科医師……かもしれませんね。院内で信頼関係や絆が築かれていれば、ほとんどの歯科医師は、そんな仲間たちを自慢の意味も込めて紹介するはずだからです。チーム一丸となって治療してくれるところに、お願いしたいところですね。

まとめ

根管治療は大変に難しい治療とされています。特に保険適用内で治すとなると、時間がかかったり痛い思いをしてしまったり、終わりが見えずに不安になったりすることもあるでしょう。なぜならば根管治療は「難しい」ということが前提にあるからです。しかし、歯科医師の技術の未熟さがその歯の寿命を短くしてしまうこともあるため、根管治療が必要となった際には、一度立ち止まり信頼のおける歯科医師探しをすることをおすすめします。

ある程度費用をかけられるのであれば、「歯内療法専門医」がおすすめ。あなたを大切にしてくれる、信頼のおける歯科医師、歯科医院探しをしてみましょう。外科医で「名医」と呼ばれる先生をイメージ参考にして!とにかく“まずは行動!”です。

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