『8020』を達成するために

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『8020』を達成するために

さて、それでは実際に『8020』を達成して行くにはどうしたら良いかということについてお話致しましょう。

現在殆どの歯科医院で行われている治療形態は健康保険(疾病保険)に基づく診療形態です。それゆえスタートは疾患が発生した時からであり、終了は「その主訴たる症状が何らかの解決をみた時」となります。しかしそこに歯科疾患では必ずと言っていいほど人工物の介入が生じてきてしまいます。そこに医科と違った歯科医療の新たな問題点が発生してしまう可能性があるのです。

厚生省の統計からも日本人の歯の喪失本数は、50才迄は全国平均で約5本、つまり23本は残っているという素晴らしい成績なのです。しかしこれが60才になると俄然話が深刻になってきます。全国平均で12本の歯がなくなり、70才では何と20本もの歯がお口の中から消えて行っているのが現状です。それ故、「8020」ではなく、「8005」となる次第なのです。 

一体この原因は何なのでしょうか?どうも50才という年齢がターニングポイントの様です。50才まで殆どの日本人が歯科治療を受けていないのなら、これは歯の寿命と言えるでしょう。でも大抵の方は3〜4才の幼児期から歯科治療を受けているのですから、50才迄にどのような治療を受けたか「受けた治療の質」が問題になると思えます。

ご経験のように修繕治療では『結果』(つまり何時まで持たせるのか、持てばいいのかという)は必要としません。『又悪くなったら来て下さい』式では、ご自分の良い歯の場所が無くなり、もう修理が出来ないとなる時点まで年中行事のように「削る、詰める、被せる」の修繕処置が繰り返し行われて行きます。その揚げ句「もう老化現象だから仕方ないですね、抜きましょう。」と言う言葉が多くの歯医者から発せられる次第となります。

それでは一体どうしたら自分の寿命まで歯を維持していくことが出来るのでしょうか?歯を失わないためには何と言っても『悪くさせない事』が必要でしょう。

それには第1に徹底的なお口の中にはびこっている細菌と真っ正面から戦いを挑み勝利すること。即ち『予防治療』の正しい習得と習慣化が是非とも必要です。そして第2は歯の最大の特徴でもある、歯に加わる荷重バランスをどうとっていくかがキーポイントになります。一般の人からみれば歯科と言えば即、“咬合”なのですが今の日本の歯科医療の実情では全く未開な分野が“咬合をどうしたら良いか?”という問題なのです。

そこで何故今まで歯科の世界で咬合治療が無視されてきたのかその理由を考えてみますと

@歯科医師が咬合治療そのものを習わなかった。
A今患者さんが噛み合わせを特に気にしていなければそのままじらないほうが良い(触らぬ神に祟りなし)。
B1歯ずつの治療のため咬合は高かったら低くするという調整で十分だと思っている。
C保険治療には咬合治療の点数が殆どない。
D歯科医が咬合治療でより悪くした経験が有るとそれに反対する。
E咬合治療による結果を予想するためには歯科医師の認識以上の正確さが要求される。そのためには十分な知識の習得と実践が要求される。そして咬合治療が細心の注意なくしておこなわれたならば、変えられた咬合は問題をかえって大きくするし、不快という問題を引き起こすことも生じかねないから・・

以上の様な事が挙げられます。

『咬合(噛み合せ)』と『予防治療』には「ご本人の歯を大切にしようとする気持ち」と「専門家による管理」がどうしても必要となります。昔からおこなわれて現在に至っている「患者さんの主訴中心の一歯単位の治療」から脱却し、「悪くさせないための徹底的な口腔細菌との戦い、即ち徹底的なお手入れと、もし必要があればお手入れがしやすいようにお口の修復物や歯並びの環境改善、歯や顎にかかる力のバランスの整備(咬合の再構成)、そして良い状態を維持していくための定期的なメンテナンス」があれば、一生涯ご自分の歯を維持していくことが出きます。

そしてお口が健康であれば、“食事”、“会話”、“老い”等で起こる日常のトラブルに煩らわせることなしに、皆様が思い描いている人生の夢を達成していくことが出きると、私達歯科医療スタッフは確信しております。

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