一方歯科の方に目を向けてみますと、大抵の方は医科と歯科とは同じ母体と見ますので、歯科医療もさぞかし立派な発展を遂げているのではないかと思われがちです。でも私達歯科医療関係者の目から見ますと医科と歯科とでは大きな違いがあることに気付いています。
特にお口の病気は人間に備わっている免疫力や治癒能力が非常に少ないため、一度罹患したならばもう元へは戻れない事が大きく違う点でしょう。治療においてもシビアーな目で評価しますと、現在の歯科は先に述べましたように医療発達段階の『初期の治療医学』の域を脱出せず、大正時代の内容をそのまま引きずって現在に至っているのではないかと疑いたくなる様な処置が施されている患者さんのお口にしばしば遭遇します。
その証拠といえることが『8020運動』(人間は20本以下の歯数になると咀嚼が変化して困難になってくるという臨床的データーに基づきそう言われています)の原点である80才での日本人の平均残存歯数8本!つまり『8008』が現状であると言う事に現われているのではないでしょうか。(先進諸国では少なくとも8015を実現しています)
多くの国民にお口が健康であることはどういう利益をもたらすかを知ってもらい、それではそれを実現するのにはどうしたら良いのかという事に関心を持って戴くには、少なくとも私達医療関係者がその事を真剣に考え皆さんに本当の事を開示していくべきだと思います。
